六甲おろし

WBC(ワールド・ベースボール・クラッシク)準決勝戦で、絶不調だったヤクルトスワローズ村上選手の逆転サヨナラ打で劇的な勝利をした侍ジャパンは、決勝戦でもアメリカに競り勝ち、3大会14年ぶりに念願のワールドチャンピオンに返り咲いた。3月23日朝、リアルタイムで届いた明るい知らせに、野球ファンのみならず日本中が歓喜に沸いた幸せなひとときであった。

 

その余韻が冷めやらぬ31日(日本時間)、今年のメジャーリーグのシーズンが開幕、WBCでMVPに輝いた大谷翔平選手は、昨年に引き続いて開幕投手を務めた。6回無失点、10奪三振を奪う好投を見せたが、大谷選手の降板後にエンジェルスは逆転され、今年も勝利投手にはなれなかった。今シーズンのさらなる活躍を期待したい。

 

時を同じくして、セントラルリーグのペナントレースが始まった。

思い起こせば、昨年の阪神タイガース。オープン戦は12勝4敗3分と好成績で期待を持たせたのだが、思いもよらず悲惨なスタートとなった。

ことの始まりは開幕戦。前年優勝のスワローズを相手に、試合前半に猛虎打線が火を噴き4回終了時に8対1と大きくリードし、「今年の阪神は行ける!」と、多くの虎ファンが思ったのだが・・・。終盤に大逆転され、終わってみれば8対10と負け試合。その後3カード続けて3連敗と、セリーグワースト記録を更新してしまった。

 

10試合目に初勝利して連敗はストップしたものの、その後も負けが続き、4月半ばには借金14と負けが重なっていた。

そんな昨シーズンであったが、終わってみれば最終成績68勝71敗4分の3位となり、クライマックスシリーズ進出するまで浮上。ファーストステージで2位のDeNAに勝利しファイナルステージまで駒を進めた。

 

結局、首位のスワローズに敗れ日本シリーズには参戦できなかったが、もし日本シリーズに進出し勝利していたら、シーズン中に負け越したチームが日本一になり、大いに疑問が残る結果になったと言えただろう。

シーズン成績3位までがクライマックスシリーズに出られる現在のルールは、3位以内かつ勝率5割以上と改めるべきと考えるのだが、いかがなものだろうか?

 

2類相当の新型コロナウイルス感染症は、ゴールデンウイーク明けから季節性インフルエンザなどと同じ5類へと引き下げられることが決定されている。

野球観戦においては、既に2月23日のオープン戦からマスク非着用入場OK、声出し応援もOKとなっている。

紫紺の優勝旗を目指して球児たちにより連日熱戦が繰り広げられている選抜高校野球大会でも、アルプススタンドに陣取った応援団にもいつもの声援が戻ってきた。

 

高校野球が終わって来週7日には、聖地甲子園に我らが阪神タイガースが帰ってくる。コロナウイルス感染拡大の影響もあり、ここ3年間は甲子園での野球観戦も実現していないのだが、今年は何とか時間を見つけて本場の“六甲おろし”を生で聴きたいものだ。

 

ちなみに、今シーズンの阪神タイガースは、開幕戦3連勝と好発進。気の早いトラキチから「今年こそ優勝だ」との声が聞こえてきそうな、今年の野球シーズンの幕開けだ。