年の瀬2021

先週末24日には令和4年度予算案が閣議決定され、永田町も霞が関界隈もすっかり静かになりつつある。来年度の一般会計予算の総額は107兆5964億円、今年度の当初予算を9867憶円上回って過去最大となった。

 

思えば、私が初めて当選した頃の閣議決定は、もっと暮れも押し詰まった時期だった。まず、20日頃に財務省(当時は大蔵省)から内示があり、それを契機に政務調査会の部会を中心に議員が一斉に動き出す。霞が関の各省庁政務次官(当時)室には夜食や飲み物が用意され、関係者や多くの議員が激励に訪れていた。新人議員の頃は、夜になると省庁を片っ端からハシゴしていたものだったが、今はそのような風景は全く見られない。

 

現在では、シーリング(概算要求基準)の徹底などで実質的な予算折衝はかなり早い時期に決着しており、大臣折衝は単にセレモニーとして行われることが多い。今年も21日に臨時国会閉幕とともに、まだ予算編成中にもかかわらず党本部は閑散とした状況になった。「霞が関マフィア」と呼ばれ、省庁をハシゴしていた頃が少しばかり懐かしい。

 

年末恒例の今年の漢字は「金」。振り返れば、東京オリンピック・パラリンピック、総裁選、総選挙と非常に中身の濃い1年であった。また、昨年に引き続きコロナ対応に追われた1年でもあった。

 

ワクチン接種も進み一時は終息に向かうかに思えた新型コロナウイルス感染症だが、新種の変異株であるオミクロン株の出現により、海外では再び感染が拡大している。水際対策の強化で新株の侵入を防止しようとした我が国だが、徐々に市中感染が広がってきてしまった。ある程度の感染拡大は覚悟し、医療体制の充実を急ぐ必要がある。

 

そんな2021年もあと1週間を残すのみ。平年であれば、我々にとって年末年始は忘年会や新年会と繁忙期であるはずだが、昨年に続き今年も、案内は極めて少なくなっている。この機会に溜まっている資料に目を通したり読書に勤しんだりしながら、この国の行く末について改めてじっくり考えてみるのもわるくない・・・などと思う年の瀬である。