国民の審判

10月14日午後1時から開かれた本会議で衆議院は解散され、19日公示、31日投開票に向けて事実上の選挙戦に突入した。

解散によって議員らは立候補者となって議席を争うことになる。いわば、解散は議員らへの「リストラ宣言」でもある。「クビ」になったのに、なぜ目出度いことを祝うかのように万歳をするのだろうか?

解散後の「万歳」が初めて記録されたのは、1897年(明治30年)のこと。12月25日の「第11回帝国議会」の会議録を確認すると、当時の鳩山和夫議長(鳩山由紀夫氏の曽祖父)が解散詔書を読み上げ解散を宣言した後、「拍手起リ『萬歳』ト呼フ者アリ」と記載されている。その由来については、「景気づけ」「やけっぱち」「内閣への降伏の意」「天皇陛下への万歳」など…。諸説あり、理由は定かではない。

「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい」。衆院解散でおなじみの光景だが、14日の解散時、万歳しなかった小泉進次郎氏は「みなさん、万歳三唱をみましたか。解散のときにみんな、万歳を言うんです。なんで言うんですか?国民のみなさんに大声を出すのをやめましょうと言っているじゃないですか。本会議場でなぜ、大声でばんざーいって言っているんですか」とぴしゃりと言い放ったという。

私も同じような理由で万歳をしなかったことがあるのだが、その時の選挙で落選してしまった。万歳をしなかったから落選した落選したわけではないと思うが、それ以来私は何も考えずに万歳することにしている。

今回も日本維新の会のみなさんが同じ理由により万歳しなかったと報道されていた。それも一理あると思うが、事前にそんな話があっても、おそらく私は万歳をしていただろう。ただし、大声はださないで。

今回の衆議院選挙に立候補せず、今期限りでの引退を表明している議員がおよそ30名いる。

自民党では、12回連続で当選し、今回の解散詔書を朗読した大島理森議長や、衆議院議長や閣僚、党の幹事長などを歴任した伊吹文明氏、運輸大臣や厚生労働大臣などを務めた川崎二郎氏らである。

立憲民主党では、農林水産大臣、衆議院副議長などを歴任した赤松広隆氏や国家戦戦略担当大臣などを務めた荒井聰氏ら。公明党では党の代表などを務めた太田昭宏氏、幹事長などを務めた井上義久氏らが引退。また、社民党のベテラン照屋寛徳氏も。

振り返れば私が初当選したのが1986年、同期性は確か67人いたと記憶している。

35年が経過して今回も立候補を予定しているのは、私を含めてわずか5人となった。些か複雑な気持ちにさせられる。私もそろそろ身の処し方について考えなければならないかもしれないが、今回の出馬には全く迷いは無い。

岸田文雄新総理は、成長戦略のど真ん中に「科学技術・イノベーション戦略」を謳っている。

私がライフワークとして取り組んできた仕事だ。これまで温めてきた政策がいよいよ結実する時がきた。

私にはやりたいことがある。まだやれることがある。その為にはこの選挙で国民の審判を受け、信託を得なければならない。そして、日本の未来を切り拓く為に再度国政の場で働きたい。それが今の私にとって「未来への責任」を果たすことと、確信している。