新型コロナウイルスは、お盆の過ごし方にも大きな影響を与えてしまった。例年であれば、この週末(8日)あたりから道路は大渋滞し、新幹線は満席になる。TVニュースでは、駅や空港での孫を迎えるお爺ちゃんお婆ちゃんの笑顔が報道されるものだが、今年は少々様相が異なる。ふるさとの高齢者への感染拡大を懸念する声が、民族大移動を押しとどめているようだ。
確かに、これまでの経験から高齢者への感染は重篤化する可能性が高く、かつ、多自然地域には感染症に対応できる高度医療機関が少ないのも事実である。「帰省を控えてほしい」と訴える首長さん方の気持ちもわからないではない。しかし一方で、感染を避けるライフスタイルも確立されてきている。場面に応じて、大声で話さない、マスクを着用する、大皿での食事を避けるといった方法で飛沫感染を避ければ、年に数回の家族のふれあいを抑制する必要はないだろう。
お盆やお正月の風物詩となっている帰省は、故郷を離れた人々が、実家へ戻り両親や祖父母との交わりの中で家族の絆を再確認し、お墓を訪ねご先祖様への感謝の念を新たにする貴重な機会である。今年のお盆のような事態は、二度と繰り返さないようにしたいものだ。
7月22日からスタートした「Go To トラベルキャンペーン」も、十分な感染予防策が前提である。「経済活性化のためには少々ウイルスを拡散させても良い」などと言うことが許されるはずはない。発熱をはじめ体調に不安があれば旅に出ない。旅先でも会話の際にはマスクを着用する。飲酒を伴う大宴会はしない。こういったことは、帰省か旅行かを問わず、感染拡大を抑止しWITHコロナの時代を生きる国民の責務である。
新型コロナウイルスの感染力や致死率等が解明され、ワクチンや特効薬が開発・普及するまで数年はかかるであろう。それまでは感染を避ける努力を続けなくてはならない。人と物の移動が世界化し、高速化した今日、コロナに限らず、新型感染症のパンデミックは簡単に起こってしまう時代を迎えている。人と感染症との共生力が求められる時代とも言えるのではないだろうか。
私をはじめ国会議員にとっても、この季節は帰省の時期。地元に帰り夏祭り会場をハシゴし、初盆のお参りや支持者へのあいさつ回りをするのが恒例となっている。かつての中選挙区時代には初盆のお参りだけで1週間かけて400軒以上もこなしたものだ。(小選挙区となった今でも2~3日はかかるが)
今年は、東京からの初盆参りは遠慮すべきかと思わなくもなかったが、例年どおり訪問させていただいている。
一方で夏祭りや花火大会、盆踊りなどの地元イベントはすべて中止となり、些か時間をもてあまし気味ではあるが…。この際、ポストコロナ時代の日本の在り方について、改めて考える時間と前向きに受け止め、読書などして有意義なお盆休みにしたい。
過去に向き合うためにも、15日(終戦記念日)には上京して全国戦没者追悼式に出席し、心のけじめをつけたいと思う。
このところ猛暑が続いています。水分補給など十分な熱中症対策をして、お過ごし下さい。