安倍総理が新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を発出したのが4月7日。この時点では私の地元兵庫を含む東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、福岡の7つの都府県が対象とされた。続いて4月16日の対策本部会議で、ゴールデンウイークの人の移動による感染拡大を阻止すべく緊急事態宣言の対象を全国47都道府県に拡大するとともに、先の7都府県に北海道等を加えた13都道府県を「特定警戒都道府県」に位置づけた。
連休中には、当初5月6日までとされていた緊急事態宣言の期限は、感染の終息が見えないことから5月末までに延長。あわせて、都道府県ごとのに感染者数や医療提供体制の逼迫状況などに応じて期限を待たずに宣言を解除していく考えも示された。そして14日の専門会議の分析・評価を経て、東京・関西の二大都市圏、北海道の8都道府県を除く39県について宣言解除を決定した。
一方、特定警戒都道府県でも、大阪府をはじめとする関西圏では事業所に対する休業要請の緩和が始まっている。この休業要請を巡る権限について、西村担当大臣と吉村大阪府知事との間で小競り合いがあったが、法律に定めのあるとおり国は規制の前提となる緊急事態宣言を発する権限を有し、都道府県は休業要請等の具体の規制措置を決定し、実施する権限を有するということである。
解除された地域をはじめ、それぞれの実情に応じて経済活動が再開され、徐々に日常生活が戻りつつある。しかし、単純に以前の生活に戻ることはない。そこにはこれまでとは違った“新しい日常生活”が待っている。ポストコロナの日本社会がどんな社会になるのか、手探りの試みがスタートしたともいえる。
このコロナショックを克服し、新しい社会づくりを始動するために、党では令和2年度第二次補正予算の議論の真っ最中である。
第一次補正予算で創設した自治体向けの臨時交付金は、感染防止から経済対策まで幅広い対策に充てることができるが、総額をリーマンショック時に併せて1兆円としたために、規模が小さすぎるとの声が上がっている。二次補正での大幅な積み増しは必至である。それ以外にも、雇用調整助成金の拡充、家賃補助、学生支援、医療体制の支援など、プロジェクトごとに政策立案が行われている。
私は、学生支援のプロジェクトチームの座長として取りまとめを任されている。経済活動縮小の影響で、多くの学生がアルバイト先の休業、仕送り額の減少等により学業継続が困難に陥っている。
意欲ある若者が経済的理由により進学や修学を断念することはあってはならない。
支援に当たってはスピード感が重要だ。当面、一次補正の予備費を使い10~20万円の緊急給付金の創設を決定しているが、二次補正では授業料の減免など更なる支援策を提案したい。
二次補正の検討は急ピッチで行われているが、私の記憶では、25年前の阪神淡路大震災の際はもっと意思決定が早かった気がする。
政治の意思決定のプロセスでは議論の積み重ねが求められるが、三密を避けるために今は思うように会合を持てない。テレワークやTV会議も行ってはいるが、なにしろ高齢者(?)が多い永田町では慣れるまでにまだ少し時間がかかるようだ。だとしても、もう少しスピーディーにできないものかと反省しきりである。
国会議事堂での審議自体が通常ベースで開催すると超過密状態となってしまい、とても三密を避けることはできない。当面の措置として、本会議は採決以外、半数で審議している。早々にオンライン審議等の国会改革を始めたドイツやイギリスの状況をみていると、日本は遅れているのではないかと思わざるを得ない。
ポストコロナのわが国の社会を議論しなければならないとしたら、まず政治から変わらなくてはならないと思う、今日この頃である。