祭りとそのあと

2月25日(日)に閉幕した平昌オリンピック。

前半戦は有力選手の活躍も、金メダルには及ばなかったが、折り返しとなった男子フィギアの羽生結弦選手と小野昌麿選手によるワンツーフィニッシュから、後半戦はメダルラッシュとなり大いに盛り上がった。

 

18日には、女子スピードスケートで事前の予想どおり小平奈緒選手が五輪レコードで金メダル!その後も、チームパシュートとマススタートで髙木菜那選手らが金メダルを獲得した。

閉会式前日には女子カーリングが五輪史上初めての銅メダルに輝き、列島が歓喜に沸いた。

終わってみれば、日本のメダル獲得数は金4、銀5、銅4、の計13個。冬季大会では過去最高の長野大会の10個を上回り、大会目標の10個も超える結果となった。

 

右足首のけがを乗り越え、66年ぶりの五輪連覇を達成した羽生選手。

前回のソチ大会での敗北の悔しさをバネにオランダ留学を始め、この4年間に極限の努力を重ねて実力を養い、ついに金メダルを獲得した小平奈緒選手。レース後に国旗を背負いライバル選手とお互いの健闘を讃えあった姿は、世界中に感動を届けてくれた。

 

また、スーパー中学生として15歳でバンクーバー大会に出場し、ソチでは代表落ちという屈辱を味わい、それをエネルギーに変えて再び日本のエースに返り咲いた髙木美帆選手。

年300日の合宿を通じて一糸乱れぬ隊列走法で、メダリストを揃えたスピードスケート王国オランダに勝利し、金メダルに輝いたチームパシュートの選手たち。

苦しい戦況下にあっても常に笑顔で励ましあう姿で、日本中を笑顔にしてくれたカーリング娘たち。

 

オリンピック報道では、それぞれの選手たちの表彰台に辿りつくまでの数々のストーリーも放映された。自らを極限まで追いつめ努力を重ねてきた選手たちの感動のドラマに涙した人も数多かったと思う。(私もその一人だったが)

加えて、競技後のインタビューでの選手たちの言葉には、必ず支えてくれた人達への「感謝」の言葉があったことも指摘しておきたい。

 

今回のメダルラッシュは選手たちの努力のたまものであるが、国を挙げてのサポート体制の充実・強化が実を結んできたものでもある。

政府は2001年に定めた「スポーツ振興法」に基づいて、競技ごとの専用練習場や宿泊施設などを備え、集中的・継続的にトレーニングをおこなえる“ナショナルトレーニングセンター”の整備や充実を図ってきた。

 

さらに、トップレベル競技者の強化、優れた素質をもつジュニア競技者の発掘、一貫指導システムによる育成など、国際競技力の向上にむけた組織的・計画的な取り組みをスポーツ科学・医学・情報の側面から支援することを目的とする“国立スポーツ科学センター”を設立して効果的なトレーニング方法の開発も行っている。

これらの下支えが我が国のメダル獲得に大きく貢献している。

 

日本中が熱狂に包まれた今回の平昌オリンピックは、スポーツの力を改めて証明してくれた。

2年後は自国開催である東京オリンピックだ。ナショナルチームの更なる競技力向上を大いに期待したい。その為にも国民の熱が冷めないうちに、更なる支援策を講じる必要があると考える。その前に、9日(金)から始まるパラリンピックの選手たちにもエールを送らなくてはならないが。