日本の夏

今年は台風の当り年かもしれない。7月までに13号も発生したのは26年ぶりのことだ。また、例年ならこの時期、中国大陸に向かうはずの台風が、11、12号と相次いで日本列島に上陸。梅雨前線上に停滞する雨雲とも相まって各地で豪雨被害を被った。なかでも岡山から鳥取にかけて横断した11号は、兵庫県下にも記録的な大雨をもたらした。

2つの台風が通過し、日本列島が梅雨明けするとともに、高気圧は北西へ移動し、日本列島の真上に居座り、列島各地で35度を記録する猛暑の日々が続いている。

地球温暖化の影響か、従来の“定説”が通用しない気象が世界各地で発生している。台風に限らず異常気象への備えを高めていかなければならない。当面は、南の海上で発生した台風13号の針路に注意しながら、適切な水分補給、無理な屋外作業を避ける等々、「熱中症」への備えにも気を配っていただきたい。

そんな暑い日本の夏には、夕涼みを兼ねた花火大会、夏祭りがよく似合う。東京では、7月25日に隅田川花火が催され、96万人もの見物客が約2万発の花火を堪能した。

東の隅田川と並ぶのが、西のPL教団の花火大会、こちらは1日に開催され、2万発と言われる花々が大阪の夜空を飾った。もう30年以上前のことになるが、サラリーマン時代に神戸のマンションからも遠望した花火も華やかだった。

ふるさと播州でも2日に加古川まつり花火大会が催され、夜空に舞う約5,000の花火に大いに盛り上がった。花火大会の前日の土曜日は夏祭りのピーク、加古川や高砂・加古郡の各所で夏祭りが行われ、私も出来る限り参加させていただいたが、盆踊りや手作りの夜店で賑わっていた。

ほとんどのイベント主催者は地域ごとの町内会連合会。そして担い手は、PTA、少年団や婦人会などの地域団体だ。住民自らが夜店や盆踊りの主体となり、そこに地域の方々がこぞって集う姿。これこそ “地方創生”の原点と言えるのではないだろうか。

今、全国各地の自治体で、人口減少に打ち勝つべく「地方創生戦略」の策定に向けた議論が繰り広げられている。先祖代々受け継がれてきた“ふるさと”の未来を拓くのは、地域住民一人ひとりの故郷を愛する心だ。国の示した指針どおりの画一的なプランは廃し、自らのアイデアで、個性あふれる、ちょっと変わった播州らしい発展方策を描いてもらいたい。

6日からは高校球児の夏の祭典が甲子園で始まる。

今年は大阪の豊中球場で行われた第1回全国中等学校優勝野球大会から数えて、100周年となる記念すべき大会だ。地方大会を猛暑の中で勝ち抜いてきた球児達の熱い戦いに、ふるさとも熱い応援を繰り広げることになるだろう。