フィギュアスケート全日本選手権を見ながら、去る2月の冬季オリンピックを思い出した。金メダルこそ逃したものの、日本フィギュア界の選手層の厚さは世界レベルだ。
日の丸を背負った若者たちの活躍から早くも11か月。平成22年も残すところあと数日となり、各メディアから恒例の「今年の十大ニュース」が発表されている。
毎年のことながら国際紛争、災害・事故から芸能、スポーツネタまで、ニュースにも様々な視点があるものだと感心する。
私なりに明るい話題をいくつか挙げてみると、まずは「惑星探査機“はやぶさ”の帰還」。苦難に満ちた7年の旅は私たちに感動を与え、日本の科学技術力の素晴らしさを教えてくれた。
「日本人宇宙飛行士の活躍」も一つのニュース。国際宇宙ステーションで5ヶ月余りの長期滞在を続ける野口聡一さんと物資補給隊の山崎直子さんが宇宙で対面した(4月)。
11月には、日本が開発した無人補給機(HTV)が「こうのとり」と名付けられた。この機体はスペースシャトル退役後の補給物資輸送の主役になる予定だ。
金星探査の再チャレンジも含め、宇宙を舞台とした日本の活躍はこれからが本番だ。(予算をけちってはならない…)
天皇陛下からも称えられた「幻の魚クニマスの生息確認」(12月)。絶滅したと信じられていた日本固有種が、70年間も密かに命のリレーを続けていたことには驚かされた
折しも10月に名古屋で開催された「生物多様性条約締結国会議」で、人類と自然との共生をめざす「愛知目標」が採択されたばかり。世界語ともなった「SATOYAMA」をはじめ、日本が守ってきた共生文化を維持していきたいと思う。
今年は、様々な意味で「中国」の存在感を認めざるを得ない年でもあった。GDPは遂に日本を抜き世界2位に、上海万博は史上最高の7000万人を動員した。
尖閣諸島をはじめ各地での領土領海権の主張や、レアアースの輸出制限(9月)、ノーベル賞への冒とく行為(10月)はいただけないが、我が国の発展はこの巨大新興国といかにして共栄を図るかにかかっている。
もう一つ、南の新興国、南アフリカで開催されたサッカーW杯(6月)も忘れられない。
(今となっては失礼ながら)大会前はそれ程活躍を期待していなかっただけに、強豪揃いの予選リーグを勝ち抜き16強に名を連ねた姿は、日本に勇気を与えてくれた。
思えば、いつのまにか、サッカー選手も野球選手も、海外でプレーするのが当然の時代となった。世界化が日本を鍛えあげる好例かもしれない。
最後に政治の話も少し。こちらは大きな期待を担った民主党政権が、次々と国民の期待を裏切り続けた1年だった。
沖縄県民と米国を相手に空手形を切り、大混乱を招いている普天間基地問題。北と南で紛糾する中国・ロシアとの領土紛争。遂に年末まで収束できなかった鳩山・小沢両巨頭の政治とカネを巡る疑惑。そして、いつまでたっても見つからないマニフェスト実現のための財源探し‥‥。
「今年の世相を表わす漢字1字」は「暑」だったが、国民の民主党への思いは、昨年の政権交代後の「熱」から「怒」へ、そして「冷」と変化している。
自民党政権時から続く閉塞感は、政治離れ(不信)を拡大させてしまっているのではないかと気掛かりだ。
来年こそは政治の「信」が回復し、「明」とか「幸」が選ばれる一年にしたいものだ。
今年もお世話になりました。
皆様も良いお年をお迎え下さい。