「売上税」

話は少し後戻りするが‥‥、私の1期目の最大の出来事は売上税(消費税)の問題だった。

中曽根総理は「大型間接税は導入しない」と明言していたので、私はメディア各社のアンケートに大型間接税反対と答えていた。

ところが選挙が終わると中曽根総理は売上税の導入を提案した。

49項目もの非課税品を設けているので大型間接税ではないとの説明だったが、どう考えても売上税は大型間接税だったと私は思う。

昭和61年秋から、世論は売上税反対の大合唱となり、自民党内でも激しい反対の声があがった。

結局、売上税法案は廃案に追い込まれることとなる。

その後、中曽根総理は、安倍晋太郎・宮沢喜一・竹下登の3氏のなかから、竹下氏を後継指名し退陣。62年秋に竹下内閣が発足した。

そして、新内閣とともに再び大型間接税の導入議論が浮上する。

現在の消費税である。(導入時は3%)
(25年前から、年々増大する社会保障費をまかなうには、広く薄く課税する間接税を充てるしかないとの結論は見えていたのだ。)

激しい議論の末に、昭和63年秋、強行採決で消費税法案は可決。平成元年4月から日本でも付加価値税が導入されることとなった。

消費税は極めて評判が悪かった。

なかでも家計を預かる主婦層の反対は一層厳しかった。

そこで私は、主婦層中心にミニ集会を開催し、消費税の必要性を説明することにした。

支援者のお宅で5~10人の方々に集まって頂き説明をさせて頂く‥‥。初めに「反対の方は?」と聞くとほぼ全員手が揚がる。

約1時間程度説明してからもう1度「これでも反対の方は?」と聞くと7~8割は理解してもらえた。

このミニ集会なくして、私の2回目の当選はなかっただろう。