与謝野元財務大臣が自民党を離党、新党結成を決意した。
文藝春秋の4月号の記稿で既に意見表明されていたので、今のところメディアの取り上げ方も冷ややかである。
永田町でも「政治ごっこ」とか「党内拡争」とか「理念なき野合」とか‥‥かなり厳しい意見も出されている。
ただ私は今回の氏の行動に強いシンパシーを感じている。
以前にも紹介したが、我が国の将来に対する氏の強い危機感を直接耳にしたからだ。
昨年来の日本の政治情勢。それは海図を無くし、舵を失いながら航海を続ける船のようだ。
このような国家運営が続けば日本は確実に衰退する。国際社会からは忘れ去られ、国民は豊かな生活を喪失するのは必定ではないだろうか。
政治家として最終章を迎えようとしている与謝野氏にとっても、何としてもそれだけは阻止したい、しなければならない‥‥との強い思いがある。
もちろん新党結成には、理念や基本政策が必要なことは言うまでもない。
そこは政策通の与謝野氏のこと、既に脳裏には新党のビジョンが描き上げられているにちがいない。
ただ、いくら素晴らしい理念や政策を掲げても強い情熱と志がなければ大業は成し得ない。
日曜日のテレビ番組では新党にエールを贈る石原東京都知事が「理念は大事だけど今必要なものは情念、国家に対する愛着や危機感だよ」と言っておられたが‥‥
まったくその通りだ。