国民の声は?

7日から始まった自民党総裁選は、直前に発生した北海道胆振地震の被災地に配慮して安倍晋三、石破茂両陣営とも3日間運動を自粛。実質的に選挙戦がスタートしたのは、10日に党本部ホールで行われた所見発表演説会と共同記者会見からとなった。

 

安倍候補は、政権奪還後に自身が取り組んだ“アベノミクス”の成果を強調し、その継続性とともに、昨年の総選挙で掲げた政策の完遂に全力を尽くすと訴えた。また外交・安全保障政策では拉致問題解決への強い決意を表明するとともに、憲法改正については自衛隊の明記を改めて呼び掛けた。

 

一方、石破候補は“経済再生”と“社会保障改革”を成し遂げると訴えた。経済再生については、地方創生が核になり、地方の成長力を引き出すための司令塔を政府内に設置するとし、すべての人が安心して暮らせる社会保障づくりにも強い意欲を示した。また、大規模自然災害に対して平時から万全の対策を講じるための「防災省」の設置も提案した。

 

ただこの会見の直後、安倍総理は東方経済フォーラム出席のためウラジオストックに向け出発。両候補による本格的な論戦再開は、総理帰国後の14日に行われた日本記者クラブ主催の討論会と自民党青年局・女性局主催の公開討論会を待つことになった。

 

結局、総裁選恒例の地方演説会は15日以降となり、しかも京都市(近畿ブロック)、佐賀市(九州ブロック)、津市(東海ブロック)、仙台市(東北ブロック)の4カ所のみとなった。

前回の総裁選では全国17カ所、前々回は18カ所で候補者が街頭に立った。今回の4カ所のみというのは極めて少ない。当初8日に予定されていた東京での演説会も最終的に見送られ、過去に例を見ない論戦の少ない総裁選となった。

 

既にこのコラムでも言及したように、私は石破候補を支援し推薦人にも名を連ねている。石破陣営は首都圏での合同演説会が中止されたため、連休最後の祝日となった17日(月)に銀座三越前で単独の街頭演説会を執り行った。中央通りが歩行者天国となる休日の銀座で、多くの方々が石破候補の訴えに足を止め、耳を傾けていただけた。

 

自民党の総裁選は日本国の総理に直結する選挙である。総裁選を通じて多くの国民に直接訴えることは、政治への関心を高める上で大いに意味がある。国政選挙における政権公約と同じく、総裁選での主張は選挙後の政権運営に直結するものであり、各候補の訴えは我が国の将来を左右する、すなわち国民生活に大きな影響を与えるものである。

 

総裁選を揶揄して、「永田町の論理」とか「コップの中の嵐」とか言われることがある。もちろん、総裁選の投票権は党所属国会議員と党員にしかない。国会議員票は確かに「永田町の論理」で決するのかもしれない。しかし、党員票に国民の声がより反映されると言っても良いのではないだろうか。

 

私は平成26年に党・政治制度改革実行本部長として総裁公選規程を改定し、国会議員票と地方の党員票を同数にした。この改革には総裁選に国民の声がより反映されるようにという、願いが込められている。

だからこそ総裁選では、広く国民に呼びかける機会を十分に確保する必要があると考えていた。今回の街頭演説会の減少は非常に残念だが、数少ない機会を利用した両候補の訴えが、しっかりと国民に届き、政治不信の解消に繋がることを心から期待している。

 

いづれにしても結果は明日、判明する。

総裁選の争点は

このところ世界各地から地球規模の異常気象が報告されている。我が国でも猛暑による熱中症被害が後を絶たず、また、西日本を襲った7月豪雨をはじめ、毎週のようにゲリラ豪雨による水害が報じられる。

台風の数も異常だ。8月の発生数は平年の5割増しの9個となった。23日に私の地元を直撃した20号に続き、4日頃には21号が列島を縦断しそうだ。このような日本の亜熱帯化は、今後も続きそうな気配である。

 

いにしえの世から治山・治水は国家の最重要事項である。

先週出そろった各省庁の概算要求の中でも国土交通省は、水害対策(5,273億円)、土砂災害対策(958億円)、輸送ルート維持(4,156億円)など、防災にかかわる予算の大幅な増額を要求している。また、自治体による防災の取り組みなどを支援する防災・安全交付金も21%増の1兆3,431億円を要求した。

 

6年ぶりに行なわれる自民党総裁選でも、防災に関する政策は重要な争点になりそうだ。

すでに立候補を表明している石破茂元幹事長は、政策の柱の一つとして政府の司令塔機能充実を図る“防災省創設”を掲げ、防災立国で国民の生命・財産を守ると主張している。

これに対して安倍普三総理がどの様に受けて立つのか?選挙戦での議論に注目したい。

 

もう一人、初の女性総理を志し、「最後まで諦めずに努力する!」と言っていた野田聖子総務相がついに総裁選出馬を断念。今回の選挙は安倍普三VS石破茂の一騎打ちとなることが確定した。

 

日程は9月7日告示、20日投開票と決定しているが、両陣営とも選対本部を発足させ選挙戦は実質的に火蓋が切られたと言ってよい状況だ。選挙期間中のスケジュールは、総理のロシア訪問に配慮して10日~14日を除いて、街頭演説会は8,15,16日。日本記者クラブ主催の討論会に加えて青年局などが主催する討論会も9日に設定されている。

 

前号で言及したように、今回の総裁選は国会議員票405票と党員党友の投票結果をドント式で割り振った405票の合計票で争われるが、今回は候補者が二人なので一回目の投票で当選者が決定する。

 

すでに報道されているように、党内各派閥の支持動向は確定し国会議員票の大勢は決した。となると選挙の関心は党員票の行方である。両陣営とも党員票獲得のために地方における様々な活動に時間を割いている。

石破候補は政策スローガンの中心に地方創生戦略を据えてポストアベノミクスを地方から展開すると主張している。安倍総理も地方を意識して鹿児島を立候補表明の地に選んだ。

 

4年前、国民政党としての自民党再生を意図して総裁選規程改正をおこなったが、今回の選挙で狙いどおりの成果が確認できるだろう。国民に開かれた自民党への理解が、より一層深まるような政策議論が展開されることを強く願っている。

6年ぶりの総裁選

我が国では年に3回国民の大移動が起きる。年末・年始、ゴールデンウイーク、そして盆休みだ。今年の盆休みは11日(土)から16日(木)までの6日間が一般的らしいが、17日に休暇を取れば19日までの9日間の長期休暇となる。

 

そんな連休前の10日、石破元自民党幹事長は国会内で記者会見し、9月に予定されている党総裁選への出馬を正式に表明した。

 

今回の総裁選を巡っては、予ねてより自民党内の各派閥の対応が報道されている。早々と安倍支持を打ち出した二階派、麻生派に続いて、7月24日には総裁候補の一人と言われていた岸田政務調査会長が、立候補の見送りと安倍首相支持を表明した。

派閥をどのように定義づけるかについては様々な意見があるところだ。小選挙区制度への移行や政治資金制度改革に伴い、その性格が大きく変化してきたのは事実である。ただ総理に直結する総裁選を戦う上では、派閥の果たす役割は今でも大きいと言える。

 

このような中で、党内第三派閥の竹下派(55人)は、衆院議員の大勢が安倍首相支持、参院議員の方は石破氏支持と意見が分かれ一本化の調整が難航、最終的に自主投票となった。「派として総裁選の対応が分かれるのでは派閥とは言えない」との意見もあるようだが、私はそうは思わない。

総裁選において派閥内に候補者が存在しない場合、派として一人の候補に一本化しなければならないと言う必然性はない。むしろ自主投票が正しいと私は考えている。

 

私は党・政治制度改革実行本部長として平成26年に総裁公選規程を改正した。“党員の意思を、より反映する”ことを改正のベースとし、党員、党友の投票による地方票と、一人1票の国会議員票のウェイトを等しくしたことが焦点だ。つまり、現在の国会議員数は衆参あわせて405人、ドント方式で割り振られる約106万人の地方票の総数も405票となり、あわせて810票で総裁選が争われる。今回の総裁選で初めて適用されるが、我が党が民主的で、より開かれた国民政党であることの証左だと思っている。

 

9日には石原派が安倍首相支持を決定、各派閥の動向が明らかになった。国会議員票だけを考えると、出身派閥である細田派(96人)に、麻生派(59人)、岸田派(48人)、二階派(44人)、石原派(12人)を加えた259票を確保し、さらに竹下派の一部の支持も得る安倍首相の圧倒的優位が予想される。

 

私自身は現在どの派閥にも属していないが、今回の総裁選では三原朝彦氏(衆・竹下派)とともに、石破氏を支持することをすでに表明している。

我々三人は昭和61年(1986年)7月の衆参ダブル選挙で初当選を果たした“同期の桜”だ。与野党67人だった同期生は32年の歳月を経て、今国政の場に籍を置くのは7人(衆院5人、参院2人)のみとなった。

そんな同期の仲間で唯一総裁候補まで登りつめたのが石破氏であり、三原氏と同様に永年の盟友でもある。加えて私は今日に至るまでの石破氏の努力を高く評価しているし、政治姿勢にも共感を覚えている。

 

報道によれば、安倍総理は11日の地元山口県連の会合などで3選出馬に意欲をにじませたと言う。また、野田総務大臣も出馬に向けて推薦人確保を最後まで努力すると言及している。何れにしても6年ぶりに総裁選が行われることは間違いない。

 

自民党は野党時代の平成22年に改定した綱領で「国家社会主義的な統治との対峙」を掲げ、その第一の柱を「常に進歩を目指す保守政党である」とした。そして、具体的には、「①勇気を持って自由闊達に真実を語り協議し、決断する。②多様な組織と対話、調整し、国会を公正に運営し、政府を謙虚に機能させる。」といった党運営の基本姿勢を定めている。

 

経済、財政、外交、社会保障、安全保障、教育、憲法、政治改革、行政改革、国会改革など、総裁選で議論すべき政策課題は山ほどある。

今回の総裁選で、綱領で定めるとおりの自由闊達な議論が繰り広げられ、それが国民の政治への関心を高め、政治への信頼回復につながることを切に願っている。

平成のうちに

安倍総理が「働き方改革国会」と命名した第196回通常国会は、22日に閉幕した。

今国会は政府が新規に提出する法案を65本に絞り込んだにもかかわらず、成立したのは60本にとどまり、成立率は92.3%と昨年の95.5%を下回った。

 

多数の法案が厚生労働委員会と内閣委員会に集中したため、水道事業の広域化を促す水道法改正案や、規制を一次凍結して人工知能(AI)やドローンなどの次世代技術の実用化を目指す国家戦略特区改正案などの重要法案が継続審議となった。

私が昨年から議員立法での改正準備を進めてきた “研究開発力強化法”の改正も、文部科学省の局長逮捕のあおりを受けて先送りとなった。法案の内容について野党との合意はほぼ取り付けていただけに非常に残念であるが、次の国会では是非成立させたい。

 

このような法案審議停滞の一因は、旧態依然とした国会審議の手法にある。5月の連休前後には野党の審議拒否により18日間も開店休業状態が続いたし、そもそも昨年来「モリ・カケ」問題の追及に野党が多くの時間を費やし、法案や予算案についての質疑が十分に行われてこなかった。

今、こうした国会審議のあり方を巡り改革の議論が盛んに行なわれている。発端は、自民党内で小泉筆頭副幹事長ら30人の若手議員がつくる勉強会だ。政策議論を重視する国会運営を目指すことを柱として、6月27日に二階幹事長に国会改革の提言をした。

 

その第一の柱は、各委員会は法案審議を優先し、不祥事等の追及は案件ごとに特別委員会を設ける。それ以外にも、党首討論のあり方や首相や閣僚、副大臣らの国会への出席軽減や、押しボタン式投票方式の導入などが提案されている。

 

この提案に対して、総裁選に向けた若手のパフォーマンスだと不快感を示す党執行部もいたらしい。ある幹部は、「閣僚の出席日数を減らすと、野党に転落した時に政権を追及しにくくなる」と批判しているそうだが、全く見当違いだ!

若手の意図がどうあれ、今の国会の審議のあり方について多くの国民も疑問に思っていることは、各種世論調査でも明らかである。

 

今や改革議論は超党派の議員に広がり、“「平成のうちに」衆議院改革実現会議”(会長:浜田元防衛相)が活動を開始した。この会議には自公両党のほかに国民民主党や日本維新の会など、野党議員も参加している。

 

7月12日の会合では早速、①党首討論を2週間に1回、テーマを決めて夜に開催、②タブレット端末導入で資料のペーパーレス化、③妊娠、出産した女性議員が国会に出席できない場合の「代理投票」を認める制度の導入の3点に絞り込んだ改革案をまとめた。近々、古屋議院運営委員長に提出し、議運内の国会改革小委員会で議論するよう働きかけていく予定である

 

この動きに対して、野党第一党の立憲民主党は「少数会派も含めた全会派が揃ってやらないと全く意味のないパフォーマンス」との考えから会議に参加もしていないが、一方で独自案をまとめる考えも示しているのは、全くの論理矛盾と言わざるを得ない。

 

何れにしても、国会審議のあり方が今のままで良いと思っている議員は一人もいない筈だ。

だとしたら、全ての政党(また全会派)が同じテーブルにつき、党利党略でなく国民の信頼回復に資する国会審議のあり方について議論し結論を得る努力をすべきだろう。

その意味で、私は衆議院改革実現会議の今後の活動に大いに期待している。

災害列島、なすべき事は。

私たちの住む日本列島は古来より、地震、津波、台風、洪水、噴火と天変地異がいつどこで発出するかわからない、別名「災害列島」とも呼ばれる。

 

地震や噴火の原因は、マントルの対流が作り出すプレート(地殻)移動だ。日本列島は4枚のプレートの衝突部に位置する不安定な構造の上にあるが故に、定期的にプレート型地震が発生し、地殻のひずみが生んだ活断層は直下型地震を引き起こす。時にはプレート境界で生成されるマグマが火山から噴出する。

 

風水害を引き起こすのは、温帯モンスーンの気候だ。毎年夏から秋にかけて台風が襲来し、初夏や秋には前線が停滞し、長雨をもたらす。地球温暖化の影響か、近年は熱帯のようなゲリラ豪雨も多発している。

気象庁のホームページには、災害をもたらした気象事例が掲載されているが、今年新たに“平成30年7月豪雨”が一覧に加わることとなってしまった。

 

同庁は7月6日以降、「数年に一度の重大な災害が予想される」「生命に重大な危険が差し迫った異常な事態にある」として、京都・広島・岡山・兵庫・岐阜・愛媛など1府10県に「大雨特別警報」を発令。8日までの2日間の雨量が123地点で観測史上最高値を記録した。

 

洪水や土砂崩れによる被害は西日本の広い範囲に広がっているが、特に広島・岡山・愛媛県では多くの死者が確認されている。行方不明者数の捜索も続いているが、被害の全容が明らかになるには、まだ時間がかかりそうだ。いずれにしても、平成に入って最悪の豪雨災害になることは間違いない。

 

事前に豪雨が予報され、発災時の被害を予測するハザードマップも整備されていた。さらには、市町村の避難勧告や避難指示も発令されていた。にもかかわらず、結果的に大きな被害が出てしまった。

予報の迅速性や危険性の周知など、行政の対応に瑕疵があったとは思えないが、たとえマニュアル通り行なわれていたとしても、多くの犠牲者が出た事実を重く受け止めなければならない。今回に限らず、避難勧告・指示が発令されても避難されない方が数多い。また、夜間の増水など、避難することが困難なケースもある。住民への情報伝達のあり方、避難誘導の手法を再検討する必要があるだろう。

 

一方で、河川改修や治山・砂防事業の成果により、災害を免れた地域も数多い。自然災害への強靭さを増すためには、計画的な公共事業は欠かせない。

それでも突然発生する豪雨には、ハード対策では手の打ちようがない場合がある。逃げるしかないのだ。そして、日本の都市の大半は、水害に脆弱な沖積平野に形成されてきたことを忘れてはならない。

 

政府は13日、この度の西日本豪雨を被災者の権利や利益を保全する“特別非常災害”に指定する方針を固めた。過去に指定された例は、阪神淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震の4件のみで、地震以外の指定は初めてとなる。

 

「善く国を治める者は、必ずまず水を治める」と言われる。

“治水“は国家にとって最大の優先的政治課題であることを改めて考えなければならない。

 

 

今回の災害により亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者の皆さまに対して

心からお見舞い申し上げます。

究極の選択

サッカーの競技人口は、200以上の国と地域で25000万人以上。故に4年に一度の祭典、“2018FIFAワールドカップ”は世界の人々が盛り上がる国際イベントだ。TV視聴者数は10億人とも言われている。

 

開催国ロシアはFIFAランキング70位と出場32カ国中最下位だが、熱狂的なサポーターの応援を受けてグループリーグで2連勝し、早々と決勝トーナメント進出を決めた。一方、ランキング1位で大会2連覇を狙っていたドイツをはじめ、ランキング上位国が続々と敗退する波乱含みの大会となってきている。

 

番狂わせと言えば、ランキング61位の日本代表(サムライブルー)は、初戦に16位の格上コロンビアに2対1で快勝し勝ち点3を獲得、世界からは「奇跡の勝利」と称賛された。アジア勢が強豪の南米勢に勝利したのはワールドカップ史上初のことらしい。

 

今大会のサムライブルー、羽田出国時の見送りファン数は150人程度であったという。大会直前の監督交代劇や新鮮みに欠けたと言われたメンバー選出などが、影響したかもしれない。ところがコロンビア戦の勝利で機運は一転、日本中がワールドカップ一色となった。

 

その後押しもあり、第2戦のセネガル戦では2度のリードをはね返し2対2のドローで勝ち点1を獲得した。その結果、最終のポーランド戦で引き分け以上であれば、自力でベスト16、決勝トーナメント進出が決定するということで、先週木曜日、列島の応援ボルテージは最高潮に達し、深夜にもかかわらずTVの瞬間最大視聴率は54%を記録した。

 

前半は日本が押し気味だったがチャンスに得点できず0対0で折り返した。後半に入ってもボール保持率、シュート数などほぼ互角に戦ったが、後半14分のセットプレーからポーランドに得点を許しリードされる展開となった。

 

同時刻にキックオフされたグループHのもう一つの試合(セネガルVSコロンビア)は前半終了時で0対0。2つの試合がこのまま終了すれば日本は3位となり、予選リーグ敗退となる。サムライブルーは残された時間内に得点し、最低でも引き分けに持ち込まなければならない苦しい状況に追い込まれた。

ところが後半37分過ぎ、日本は突如攻撃を止めて“パス回し”を始めた。

状況を把握できずに自分の目を疑ったのは私だけではないだろう。

その後コロンビアが後半29分に1点を先取しリードした速報が入った。このままの状況で試合が終われば、負けても日本の決勝進出が決定するとのことだが、攻撃を放棄してパス回しに終始する超消極策は、他人任せ、運任せの謗りは免れない。

 

2試合ともアディッショナルタイムも含め10分程度の時間が残っている。ポーランド戦がこのまま終了しても、もう一方の試合が現状のまま終わるとも限らない。

セネガルが得点する可能性、日本が得点する可能性、ポーランドに追加点を許すリスク、反則を犯すリスクなど、すべての状況を考えたうえで総合判断した西野監督の戦術(究極の選択)であったと思う。報道によると、日本のベンチの中でも意見は分かれていたらしい。

 

この采配をめぐっては内外で疑念が噴出した。海外メディアは批判的な意見が多かったようだ。国内でも賛否は分かれた。

西野監督は、試合後のインタビューで「不本意な選択であった」と自ら言及した。

誇り高きサムライブルーにとって、「フェアプレーではない」と酷評された戦術であったが、

セネガルとは勝ち点、得失点差、総得点が全く同じで直接対決で引分け、日本が競り勝ったのは今大会から採用されたフェアプレーポイントの差であったことは特筆しておきたい。

 

目の前のゲームの勝敗よりも、決勝トーナメント進出という大目標の達成を優先せざるを得なかったと思う。そして、その方向で決断し、結果を出したことは肯定されるべきだろう。

 

いずれにしても、サムライブルーの戦いはまだ続いている。大会の総括は全ての戦いが終わった後でよいのではないだろうか。今はベルギー戦へのエールを全力で送ろうではないか!

初心に返り最善を尽くす

平成30年6月14日「議員渡海紀三朗君は衆議院議員に当選すること九回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められたよって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもってこれを表彰する」として、院議により永年在職議員の表彰を受けました。

 

以下に、本会議での謝辞を掲載いたします。

 

このたび、院議をもちまして、永年在職議員表彰の栄誉を賜りました。身に余る光栄であります。

これもひとえに、長きにわたり御支援をいただきました、ふるさと東播磨の皆様、先輩、同僚議員各位、事務所のスタッフ、そして家族の支えがあったればこそであります。

きょうまで御支援、御指導をいただきました全ての方々に、改めて心より御礼を申し上げます。

 

振り返れば、父の逝去により、急遽後継者として中選挙区時代の兵庫三区から出馬、初当選を果たしたのは昭和六十一年のことでありました。

それまで私は父の仕事にかかわったことは全くなく、そんな私の初出馬の公約は、みずからの座右の銘である「最善を尽くす」のみでありました。当時初当選を果たした同期生は六十七名でしたが、三十二年が経過し、今も当院に在籍しているのは七名のみとなりました。時の流れを感じずにはいられません。

 

院にあっては、決算行政監視委員長、科学技術・イノベーション推進特別委員長、また政府においては、科学技術政務次官、文部科学副大臣、そして第一次福田内閣では文部   科学大臣も経験をさせていただきました。現在は、党の政務調査会で、科学技術・イノベーション戦略調査会会長の任にあります。

 

この間、私がライフワークとして最も力を注いでまいりましたのは、科学技術の振興であります。議員立法としては、科学技術基本法や研究開発力強化法の立法作業に携わり、法制化に取り組みました。

 

また、文部科学大臣時代に、iPS細胞の研究や再生医療の研究促進など、人類の幸福に貢献できる仕事にかかわれたことは大きな喜びであります。日本を世界で最もイノベーションに適した国とすべく、これからも全力を尽くしてまいりたいと存じます。

 

もう一つ忘れられない大きな出来事が、平成七年に、ふるさと兵庫を直撃した阪神・淡路大震災です。被災者の心に寄り添い、やれることは何でもやる。法律が必要なら新しい法律をつくる。閣法だと時間がかかるなら議員立法で対処する。その後の政治活動において、とても貴重な体験となりました。当時、自社さ連立政権の一員として震災対応に東奔西走した日々が、今も鮮明に思い出されます。

 

省みて私は、これまでの政治活動で、その時々の課題に対して常に最善を尽くしてきたつもりではあります。

しかし、政治は結果責任を問われます。最善を尽くしたからといって、成果が得られなければ評価も得られません。

 

今、日本には内外ともに解決すべき課題が山積しています。それだけに政治の果たすべき役割は非常に大きなものがありますが、残念ながら、国民の間に政治に対する不信感が広がっていることも否めません。

 

信頼が得られなければ、政治はメッセージを正しく国民に届けることはできません。一日も早く政治への信頼を回復し、この国の未来への責任を果たすこと、それが国民の負託を受けた我々政治家の責任であると考えます。

 

政治改革の実現を目指し、同志とともに奔走した若手議員の時代を思い起こしながら、初心に立ち返り、これからも何事にも最善を尽くすことをお誓いし、謝辞といたします。

ありがとうございました。

大学改革待ったなし!

我が国は戦後の四半世紀で、世界に類をみない経済発展を成し遂げたが、その時代に社会が求めた人材は、「秩序に素直で」「協調性を持ち」「集団に奉仕する精神を持つ」「勤勉な」人物であった。

しかし、高度経済成長を可能にした構造的要因(人口増加、旺盛な内需、安い労働力)は遠い過去のものとなった。現在の成熟化、多様化した時代には「既存の発想にとらわれず」「チャレンジ精神を持ち」「新しい価値を社会に生んでいく」人材、いわば「価値創造力」と呼ぶべき資質が求められている。

 

また、AI(人口知能)やロボットの進化等に伴い、「子供たちの65%は大学卒業後、今は存在しない職業に就く」「今後10~20年ほどで、約47%の仕事が自動化される可能性が高い」といった将来予測もなされており、「時代の変化に対応できる柔軟な人材」の育成を急がなくてはならない。

 

一方で、未来を拓くリーダーを養成すべき大学は、①社会ニーズとの乖離や学修時間の不十分さなどの教育面での課題、②論文数のシェア低下による研究面での課題、更には③脆弱な財政面での課題などに直面している。少子化の進展による若年人口の急減も考えると、設置形態を越えた連携や統廃合は最早避けられない状況である。全ての大学関係者が危機感を持って対応策を講じなければならない。

 

そのような背景のもと、昨今、政府でも自民党内でも“大学改革”の議論が盛んにおこなわれている。私が所属(高等教育改革部会主査を担当)する党教育再生実行本部でも、昨年から大学改革の議論を重ね、先日、以下の項目を安倍総理に提言した。

1.優れた学長を選び、社会に開かれた大学づくりを進めるためのガバナンス改革

2.学業成果を含む徹底的な情報公開、評価の充実を通じた教育研究の質の向上

3.大学が財政基盤を確立し、教育研究を充実させるための経営力の強化

4.大学の機能を強化するための再編統合・連携の促進

 

この4つの対応策を早急に断行することで、社会ニーズに応えた国際競争力のある大学を構築しなければならない。その際、大学の自主性や学問の自由が尊重されることは当然であるが、政府は自主的改善の努力による教育・研究の質の向上を促すとともに、改革が進まない大学には撤退などを求めていくという強い姿勢で臨むべきとも、提案している。

 

世界が“知”の大競争時代に突入するなか、国を挙げて高度な人材の育成、確保に早急に取り組む必要がある。“知”の源泉として、イノベーションの核となるべき存在である大学の競争力低下は、単に大学の危機ではなく、日本の未来の危機でもある。

 

科学技術の進歩とともに、社会の変化は益々速度を高めている。残された時間はほとんど無い。「日本を世界で最もイノベーションに適した国に造り変える」という、安倍政権の政策目標実現のためにも、“大学改革は待ったなし”である。

正しい選択を!

大学など高等教育の負担軽減をめぐり、昨年末の2兆円政策パッケージで検討事項となっていた中間所得者層の対策について、自民党教育再生実行本部は17日、在学生の授業料を国が立て替え、卒業後の収入に応じて“後払い”とする案をまとめた。

 

自民党は昨年の総選挙の目玉公約の一つに、「真に支援が必要な所得の低い家庭の子供たちに限って」との表現で、低所得世帯の高等教育無償化を掲げた。公約を受けて政府は、住民税の非課税世帯とそれに準ずる世帯(年収380万円未満相当を検討中)については、授業料の減免措置を行うとともに必要な生活費を賄う給付型奨学金の拡充することを、政策パッケージとして閣議決定している。

 

実行本部が今回取りまとめた案は閣議決定済みの政策内容とは異なるので、18日の朝刊ヘッドラインには「自民提言 政府の“無償化”反対」「自民教育再生本部 政府の減免案に異論」との文字が躍った。

確かに閣議決定された無償化案とは異なる提案をするのだから、「反対」とか「異論」とか言われても仕方ない。だが、卒業後に一切の負担を生じない制度は、その適用を受ける者と受けざる者の間に著しい不公平感をもたらす。我々は、それのみで高等教育を受ける権利と確保したと言い切るのは不十分だと考えた。

 

そもそも教育再生実行本部では一年以上前から、高等教育の経済負担軽減について「恒久的な教育財源に関する特命チーム」を設置し、有識者ヒアリングや議論を重ね精力的に検討を続けてきた。その過程で、一時「教育国債の発行」が取り沙汰されたこともあったが、当初から最有力視していたのはオーストラリアの“高等教育拠出金制度(HECS)”だ。

 

昨夏にはオーストラリアに出向いて、HECSの設計者であるオーストラリア国立大学のチャップマン教授から詳細な説明を受け、日本型(仮称 J-HECS)を提案すべく検討を進めていた。だが、突如の総選挙で制度設計作業は一時中断せざるを得なかったのだ。

 

だから今回の提案はそんなに唐突なものではない。閣議決定済みの減免制度との違いは二つ、①18歳で親から経済的に自立する社会を想定し、高等教育を本人と社会の共同負担とすることと、②支援の対象を中所得者世帯まで拡大するという点だ。具体的には、対象者の所得制限を年収1,100万円未満相当の世帯まで引き上げ、授業料と入学金を国が学校に支払う(立て替える)。そして卒業後、就業してから所得に応じて学費等を国に納付する(返済する)仕組みだ。

 

このJ-HECSと減免制度を対象者の所得に応じて使い分ける方法もあるが、当然のことながら制度間の不公平は大きい。むしろ就学時は全所得層にJ-HECSを適用し、低所得者対策は卒業後の国庫納付額の軽減措置で行う方が合理的であろう。

授業料の立て替えには大きな財源が必要だが、財政投融資を活用することで国が負担するのは利子と返済未納金のみとなり、授業料減免財源の振替で十分確保できる。

 

選挙公約に反するとの意見もあるが、教育の機会均等という大きな方向性は違わないし、

消費税の使途の変更という重要な政策課題である。

国民に丁寧に説明すれば必ず理解は得られると考えている。

 

2兆円政策パッケージの財源は来年秋の消費税率の引き上げ。新財源が実質的に使えるのは2020年度予算からだ。今ならまだ充分間に合う。閣議決定が非常に重要な政治決定であることは論を俟たない。ただ、より良い選択肢があると判った時には、勇気をもって変更することがあっても良いと私は思う。もちろんその際、国民への説明責任が重要なことは言うまでもない。

ゴールデンウイーク2018

今年のゴールデンウィークは4月28日(土)から5月6日(日)まで。1日と2日を休めば9日間の大型連休となる。会社員へのアンケートによると、4人に1人が2日間の有給休暇を取り、また、約半数の人が旅行をすると答えている。9連休を実現されて旅行に出かけられる方々が相当数にのぼるということだ。

 

国会では森友・加計問題への政府の対応をめぐって連休前からの6野党の審議拒否が継続。与党と維新だけで審議が進んでいる。連休の谷間の5月2日には、今国会の最重要法案である「働き方改革法案」審議のため衆院厚生労働委員会がセットされたが、実質的には多くの国会議員が9連休。この時期を利用して海外に出かける議員も多い。が、私は今年も地元で開催される各種イベントへの出席と自宅での資料整理や読書で過ごしている。

 

このゴールデンウィークの直前に開催されたのが、27日の朝鮮半島南北首脳会談。このビッグイベントの成否については歴史が評価することになろうが、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が発した板門店宣言は、休戦協定中の朝鮮戦争の終戦に向けて、さらには朝鮮半島の非核化と平和の実現に向けて、大きな可能性を感じさせる。

 

もちろんこれは長い道のりの出発点である。今後の交渉には紆余曲折もあるだろう。しかし、数週間以内に開催されるであろう米朝首脳会談を経て、朝鮮半島統合への先触れとなる大きな一歩と、肯定的に受け取るとるべきだ。
多くのメディアから、今回の朝鮮半島の動向は米朝韓中が主体で、日本は「カヤの外」との声も聞かれる。果たしてそうだろうか?私はそうは思わない。

米朝会談が成功裡に進展し、朝鮮半島の非核化が具体的に捗れば、北朝鮮の経済再生の過程で我が国の協力が議論の俎上にのぼる、必ず日本の出番がやってくる筈だ。

かの国の経済再建への喫緊の課題は食料とエネルギーである。北朝鮮は各種の経済制裁によって、自国民への食糧配給もままならず、公海上で石油製品の瀬取り(外国船籍からの積み替え)を繰り返している。

 

一方、我が国には300万トン程度の備蓄米があり、重油は北朝鮮に中国から輸出している50万トン/年の100倍以上の国家備蓄がある。このポテンシャル、隣国への経済支援力を大いに発揮すべき時だ。

 

勿論、環境が整うなら、日朝首脳会議の可能性も模索すべきである。交渉の基本スタンスは、2002年に小泉純一郎首相と金正日国防部長の間で合意された、“日朝平壌宣言”(*)の具体化である。まずは国交正常化、そして経済協力を通じて「過去の清算」を実現すると言うものだ。

 

金委員長の提案は信頼できないとの否定的な見方も多い。確かに、北朝鮮はこれまで国際社会との約束を何度も破り、国連の決定を無視した行動をとり続けてきた。しかし、過去に捉われていては未来を切り拓くことはできない。ソ連が崩壊し冷戦構造の終焉とともに世界地図が大きく変わったように、歴史の大きな転換点にあっては、それまでの常識では予測できないことが生じるものだ。

 

今回の南北首脳会談を歴史の転換点と捉え、未来志向で前向きな解決策を模索すべき。

今はそのような時であると、私は考えている。

 

 

*日朝平壌宣言:拉致問題の解決、植民地支配の過去の清算、日朝国交正常化等が盛り込まれている。

核問題に関しては、「関連するすべての国際合意の遵守を確認」し、ミサイル発射

はモラトリアムを2003年以降もさらに延長。国際的公約とされたが、06年以降のミサイル発射実験や核実験などによる経済制裁強化によって有名無実化された。