秋本番

9月下旬の2度の台風襲来とともに厳しい残暑も去りつつあり、ようやく秋の気配を感じる今日この頃である。

ふる里播磨の秋と言えば、祭り。

しかし、新型コロナ感染症の影響で、ここ2年はほぼ全地域の神社が秋の例大祭を自粛していた。今年も神事のみで済ませる地域もあるようだが、浜手エリアの大半の神社では勇壮な屋台を繰り出す、本来の姿の秋祭りが開催されそうだ。

私の自宅のある曽根天満宮の秋季大礼祭も今年は開催することになった。以来、10月13日の祭り当日に向けて、着々と準備が進んでいる。既に屋台巡行が行われる道筋は早や紙垂(しで)で飾られ、各町の屋台の飾り付けも進んでいる、街は秋祭り一色に染め上げられていく。夜になると聞こえてくる屋台の太鼓の稽古の音は、祭りのモードを盛り上げるのに欠かせないこの季節の風物詩だ。播磨路を彩る秋祭りの太鼓の音が3年ぶりにふる里に戻ってきた。

地元事務所のスタッフの話では、2年間のブランクの影響で、本屋台はともかく子供屋台の方は、屋台をかいた(担いだ)ことのある者が少なく、練習に一段と力が入っているとのこと。江戸中期頃からの歴史と伝統が子供たちに引き継がれ、同時に地域の絆が形成されていくのが秋祭り、まさに地方創生の核となるイベントと言える。

3年間溜まりに溜まったエネルギーが一気に解き放たれる今年の祭り、さぞかし盛り上がるであろう。

ところで、先週27日には安倍晋三元総理の国葬儀が行われた。本来であれば静かな環境のもとで故人にお別れしたかった。国葬の是非を巡り世論が二分されてしまったことは非常に残念である。今から思えばもう少し丁寧な説明や手続きが必要だったと思う。

それでも会場までの道中、献花のために道路の両側に並ばれている方々の長い列を目にして、救われたような気持ちになった。

また、海外からは国際機関を含む218の代表団約700人が参列された。故人が「地球儀を俯瞰する積極的な外交」を展開し、在任中80カ国・地域を訪ね、朗らかな人柄で幅広い人脈を築いたことが、多数の出席につながったのだろう。

今日10月3日から69日間の会期で、内閣改造後初めての論戦の舞台となる臨時国会が始まる。

統一教会の問題、物価高騰問題をはじめ経済対策に向けた今年度第2次補正予算も提出が予定されている。また、衆議院選挙の1票の格差を是正する為のいわゆる「10増10減法案」も提出される予定だが、これについての党内調整は難航が予想される。

高い内閣支持率をキープして参議院選挙に勝利し黄金の3年間を得と言われた岸田文雄総理ではあったが、このところ支持率は急降下している。課題は山積しているが、岸田総理には真摯な態度で誠実に国民の疑問に答え、信頼回復に努めて欲しい。