解散を受けて

安倍総理は28日召集の臨時国会冒頭で、衆院を解散した。

総選挙は10月10日の公示で、22日に投開票される。

 

総理が国民に「信を問う」主要な項目は、①2019年10月に消費税率10%にした際、国の借金返済分に予定されていた4兆円規模の財源の一部を、子育て支援や教育無償化など「全世代型」社会保障制度に使う使途の変更と、②挑発を強める北朝鮮の安保上の危機対応、「圧力強化路線」について、国民に投げかける2点である。

 

前回のコラムでも言及したが、この時期の解散には多くの疑問が出されており、私もいささか疑問を覚える。

が、解散は総理の専権事項。「国の重要政策を強力に進めるうえで、国民の信任を得たい」と総理が解散を決断した以上、受け入れるしかない。

 

首相が解散を表明した25日には、若狭 勝、細野豪志の両代議士が立ち上げようとしていた新党をめぐって、去就が注目されていた小池東京都知事が、これまでの動きを「リセット」して“希望の党”を立ち上げると発表、自らが代表に就任すると宣言した。

都知事選、都議選に続いて、またまた「小池劇場」の幕が上がったといえる。

 

また、野党第一党の民進党は春先から離党者が出ていたが、代表選が終了してからは離党ドミノが加速し離党者が相次いだ。

このままでは総選挙を戦えないと判断したのか、前原誠司代表は27日、衆院選の党公認候補約200人について公認を取り消し、希望の党に立候補者の公認を申請することを提案した。提案は28日午後の両院議員総会で了承され、野党第一党・民進党は事実上、希望の党に合流することになった。選挙戦の構図は一気に激変した。

 

このほか、日本維新の会は都内での候補者擁立を見送る見返りに、大阪府内での維新の意向を尊重するよう、希望の党との調整に入る見込みと言われている。また、野党4党合意を放棄された共産党の志位和夫委員長は、「希望の党との連携や共闘はしない」と言明し、民進党との協力関係を見直す方針を示した。

 

総選挙を前にしたこれらの一連の野党の離合集散が、国民の目にどの様に受け止められるかは今後経過を見守る必要があるが、いずれにしても、われわれ与党にとって厳しい戦いになることは間違いないだろう。

 

総理が今回の総選挙での最重要政策とした、幼児教育の無償化や高等教育の機会均等・負担軽減は、この2年間、私が最も力を注いできたテーマである。何としてもこの仕事をやり遂げたい。

そのためにも、来るべき戦いに勝ち抜いて、これまでの議論を具体的な政策として実現したいと強く願っている。

「勝利を目指して全力で戦い抜いていく!」。その決意を今新たにしている。