9月の自民党総裁選挙、10月の衆議院総選挙と、大きな選挙が続きましたが、私にとっては政治生活の集大成とも言える覚悟で臨んだ総選挙で、皆さんと力を合わせて全力で戦い抜き、無事に議席を獲得することができました。改めて心から感謝申し上げます。
しかし、選挙イヤーはまだ終わっていません。全国的にも注目を集めている、斎藤元彦前知事の不信任決議を受けた兵庫県知事選挙が、17日に投票日を迎えます。これは「知事の資質」を問う重要な選挙となります。
実は、3年前の知事選挙の際に、自民党国会議員が中心となり斎藤候補を推薦したことが、長期にわたる県政混乱の発端とも言える。このことから、今回の県知事選挙への関与は控えるつもりだった。それに、全国からあれだけの非難を浴びた前知事が、その責任も取らず知事選に出馬するとは考えてもいなかったし、出馬することに「県民冷ややか」などと報道されていた。
しかし、告示から10日。稲村候補と斎藤候補が接戦を演じているとの情報を聞くと、静観している訳にはいかない。
この3年間の斎藤県政と国政との関係は、私の目から見て健全とは思えなかった。例えば、今年から始まった兵庫県立大学の無償化。大学教育の無償化を否定するものではないが、今、国政の場で全ての大学を対象とした学費負担軽減策を進めているさなかに、我々に何の説明もなく県立大学のみの無償化を打ち出し、他の大学は国の責任で実施せよと言う。
2年前の県立高校の統合方針についても、我々が知ったのは記者発表後だ。国会議員への県予算説明会でも、斎藤前知事が自らの言葉で語る場面は少なく、前知事自らが足を運ぶ個別要望もほとんどない。このため、我々国会議員との意思疎通が十分に図れない状況にあった。(聞くところによると、県議会議員とも、県幹部職員とも十分な協議は行われていないとのこと…。)
国政に対する形式的な予算要望などは行われたとしても、その中身が県政の一方的な説明というスタイルでは、連携し協力しようとしても、策の施しようがない。
今回の知事選立候補者の公約を見比べると、今の県政立て直しに必要なコミュニケーションとガバナンスに最も力点を置いているのが稲村候補である。前尼崎市長として、大組織の運営経験も、対話をベースに行財政改革を成し遂げた実績もある。そして兵庫県の特徴である五国の多様性を生かそうという姿勢、都市と多自然地域の連携を進める志が強く感じられる。
私が初当選以来唱えている「ふるさと東播磨の発展」のためには、兵庫県政との連携は重要かつ不可欠である。傷ついた兵庫県のブランドを立て直すため、兵庫県庁の健全なガバナンスを確立するため、そして疲弊した兵庫県職員の活力を取り戻すため、全力で取り組んでいきたい。