2017年新春を迎えて

明けましておめでとうございます。

 

昨秋公表された国勢調査で、日本の人口が初めて減少局面に入ったことが確認されました。今後50年で総人口は約4千万人減少し、8500万人程度になると見込まれます。しかし、人口の減少は国力の減退を示すものではありません。例えば欧州主要国のドイツ、フランス、イギリスの人口は8000~6000万人です。これらの国々は我が国以上の存在感を世界に示しています。それは国外の人々を惹きつける固有の文化や技術を保有しているからではないでしょうか。

 

アジアで最初の成熟国家である日本も、世界の人々を魅了する個性を磨き、発信しなければなりません。そのためには新時代に相応しい戦略が必要です。

一つには、次代を担う人材の育成。今世紀、日本のノーベル賞受賞者はすでに17名。米国に次ぐ数です。この流れを加速するため、基礎研究を志す若者を増やさなければなりません。科学分野に限らず「人材の育成」こそが未来の日本を拓く最大の投資となるでしょう。

二つには、日本各地の文化創生。経済効率重視の東京一極集中は地方の疲弊を招きました。生活文化重視の時代、その主役は地方です。各地域で培われてきた人々の営みこそが、日本文化の源です。地方を重視し個性を磨くことが我が国の文化力を高めるでしょう。

三つには、開かれた国際社会の形成。台頭する排他主義的な発想は、世界の発展を阻害します。TPP交渉で我々が求めたものは、知的財産を含む新時代のルールづくり。すでに情報は世界を飛び交い、人と物の流れも国境を意識しません。この時代に相応しい自由な交流と連携こそが地域間格差を解消し、世界の共栄の礎となるでしょう。

 

これらのビジョンを実行する基盤は、政治への信頼の確立です。「信なくんば立たず」を肝に銘じ、しっかりと国民の皆様に説明し、そして責任を持って実行に移します。

今年も格別のご指導とご鞭撻をお願いいたします。