政治とカネ

 民主党小沢幹事長の資金管理団体の土地購入を巡る事件への検察の判断が下った。小沢氏は嫌疑不十分で不起訴、元秘書の石川衆議院議員ら3人が起訴というものだ。

 これを受けて新聞各社は緊急世論調査を実施し、その結果が先週日曜日の朝刊のヘッドラインを飾った。
国民の声は、小沢幹事長の説明には納得できないとするものが9割、幹事長を辞任すべきとするものが7割と、各社ともほぼ横並びだ。

 この結果をよそに、小沢氏はすでに幹事長続投を宣言、鳩山総理もそれを了としている。世論調査をどの様に受け止めているのか…、今後も幹事長の職に留まるのであれば、自ら進んで身の潔白を証明すべきではないのか。

 「私は潔白だ、やましい事は何にもない」と言われているのだから、国会への招致に応じない理由は無い筈だ。
 民主党も「国民生活を守る為に一日も早い予算の成立を」と主張するのなら、まず国民の疑問に答える必要がある。まして、連立与党の社民党からも小沢氏の説明を求める声がでているのだから。

 我が自民党にとって、内閣支持率や民主党支持率が低落することは歓迎すべきかも知れない。しかし一方で、灰色に包まれた政治とカネの問題が、国民の政治不信を一層加速してしまうのではないかとの懸念が脳裏をよぎる。

 民主党の各位には、政治に向けられた厳しい国民目線をしっかり受け止め、迅速かつ適切な問題解決を図られることを望む。小沢独裁体制との批判を払拭する為にも、国民の信頼を損ねることなきよう、自らの良心に従って行動される事を期待したい。